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伝統重視か、あるいは効率を求めるか!?
超高密植栽培法のオリーブ畑とダイナミックな収穫(動画あり)
【オリーブ世界一の国 スペインから】

Hola!! オリーブ収穫シーズン真っただ中のスペインです。市場には早摘みのオリーブオイルもちらほらと姿を現し始めました。昨年も収穫の話を書きましたが、この10月に撮影したばかりの動画をご覧いただきながら今年のオリーブの収穫の様子をお届けしたいと思います。

今シーズン初めて見た収穫風景は「超高密植栽培法」で栽培されたアルベキーナの畑で、大型収穫機を使ったダイナミックな収穫でした。

ヨーロッパなどのオリーブ農園を視察すると、ゆったりとした間隔で大きなオリーブの木が植栽されている伝統的な植栽方法がよく見られます。それに対し、最近急速にシェアを拡大している栽培方法が「超高密植栽培法」です。これは間隔を開けた伝統的な方法とは異なり、栽培間隔を極端に詰めて植栽する方法でこの手法に見合った大型の収穫機械を導入することで、収穫のスピードと効率が年々上がっています。

まだ植えて2年と小ぶりなアルベキーナ種の木が並ぶ畑

小さな木ながらたわわに実がなっていました

ここ10年であちこちに現れた超高密の畑では、オリーブの木が垣根のように連なっています。一般的に1ヘクタールにつき1000本~2000本もの木が植えられていますが、中には2500本や3000本に及ぶ畑も。伝統式と呼ばれる昔ながらの畑は100本前後であることを考えると“超高密”と称される理由がわかりますね。なお、“超”の付かない高密植栽培法の畑だと200~600本になります。

では、まずは大型収穫機による収穫の様子を正面から見てみましょう。

機械が木々の上に覆いかぶさって収穫していきます。続いて後ろからもご覧ください。

この機械のおかげで大量のオリーブ果実が一気に収穫され、短時間のうちに搾油所に運ばれ、鮮度が高いうちに搾油されます。

これは、別の畑で遭遇した大型収穫機の内部の画像ですが、機械の中を覗くと頑丈なアームが備えられています。

超高密植栽培法の畑で使われる自走式収穫機の内部

超高密の畑ではこのような機械収穫を行うため、あっという間に収穫が完了し人件費も最小限にコストが安く抑えられるのです。また、収穫した果実を一刻も早く搾油することは品質のいいオリーブオイルを作る秘訣のひとつなので、収穫にかかる時間が短いこともメリットのひとつですね。デメリットは樹齢が短くなることですが、まだ新しい植栽培法なのではっきり何年ごとに植え替える必要があるかわかっていません。10数年と言われていましたが、フランスにある超高密の先駆け生産者の畑では20年過ぎても毎年収穫ができているそうです。

超高密の畑では、剪定も機械でしてしまうのですよ。私が撮った動画はないので、例としてこちらをご覧ください。「トッピング」といって樹高を揃える機械剪定の様子を見ることができます。

自走式剪定機が通った後の超高密植栽培法の畑

個人的には伝統的の畑で伸び伸びと個性豊かに育ったオリーブの木が好きなので、垣根状の超高密の畑にはそれほどときめかないのですが(笑)これも効率を求める時代の流れのひとつですね。

先祖代々受け継がれてきた伝統的植栽培法の畑を持つ生産者には、昔ながらの景観が変わることや1000年以上生きる生命力のあるオリーブを定期的に植え替えることに反感を持つ人がいる反面、効率を考えて古い木々を引き抜き超高密や高密の畑に作り替える人も。伝統をとるか、効率をとるか、生産者としては生活もかかっている問題なので難しいですね。

幸いなことに、現時点ではこの方法で栽培できる品種はアルベキーナ種やアルボサナ種、シキティタ種などに限られています(理由は分かりませんが、どれもオレイン酸含有率の少なめの品種です)。昨年発表されたデータを見ると、スペインのオリーブ畑における超高密植栽培法の畑の割合はまだわずか3%だそうです。また傾斜のある山や丘の畑ではこの大きな収穫機は使えないので、昔ながらのオリーブ畑の景色が失われることは当分無さそうです。

生命力を感じる伝統式栽培法の畑のオリーブの木々

次回は、搾油所に行く前に収穫した果実を畑でクリーニングする(枝や葉を飛ばし、土や小石を落とす)様子をご紹介する予定です。それでは、hasta luego!!(田川敬子)

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