オリーブオイルの優れた健康効果を引き出す食べ方にはコツがある
皆さま、はじめまして。医師でありマスターオリーブオイルソムリエ®の浅井洋貴です。普段は消化器内科医として自身の医院で、食事指導にオリーブオイルを取り
「オリーブオイルは健康に良い」という話は最近以前よりたくさんの場所で聞くようになりましたね。オリーブオイルが「健康に良い」油という認識は着実に定着してきていると感じていますが、まずこの「健康に良い」とはどういう意味か?オリーブオイルをどう摂るといいのか?ということを考えてみようと思います。
オリーブオイルの健康効果に関する記事は玉石混交
オリーブオイルに関する医学論文を医学論文の検索サイト「PubMed」で『olive oil』と検索すると、なんと13,000件以上の記事がヒットしました。世界中の医学者の中でもオリーブオイルが注目を浴びている証拠ですね。タイトル一覧だけを眺めてみても、オリーブオイルの様々な健康効果が示唆されていて、楽しくなってきます。
ただそれぞれの記事は玉石混交で、信頼できる論文もあれば、個々の医療機関の感想レベルの記事もあり、全部を鵜呑みにすることができないのは大手検索サイトと同様です。ここから、大規模な臨床試験などある程度信頼できるフィルターをかけていくと、だいたい1割程度に絞り込まれます。
これらの内容についてはまた次回以降紹介していくとして、このフィルターで弾かれた記事等も「医学雑誌に掲載された」とか「医師が監修した」などの文言で、健康効果の宣伝に使われてしまう可能性があるのです。厳密には厚生労働省が定める医療広告規制があるため、そこまであからさまな表現はできないものも多いのですが、消費者にそう惑わせる情報が巷にあふれているという現実は、皆さんにも意識していただければと思います。
一種類の健康食品を毎日大量に食べても健康にはなれない
また「健康」の定義や目的は人それぞれ異なります。「健康に良い」とひと言で言っても例えば、何が何でも癌になりたくないという人もいれば、脳梗塞で寝たきりになるのが嫌だという人もいるでしょう。あるいは骨粗しょう症から骨折をして歩けなくなってしまうのはどうしても避けたいという人も多いかと思います。世の中には様々な健康食品のネタがあふれていますがオリーブオイルに限らず、一種類の食品を多量に摂取するだけでそれらすべてを予防できるわけがないのは少し考えればわかりますよね。
ではテレビや雑誌で紹介している「健康に良い」食品を片っ端から集めてそれらばかりをバクバク食べれば「健康な人間」が出来上がるのでしょうか。以前私が普段診察していた患者さんにも本当にそう思い込んでいる方がいらっしゃって、説明に難儀したことがありました。
あらゆる部分が相互に作用しあってバランスがとれている健康な身体
人間の身体はとても複雑で、あらゆる部分が有機的に作用しあっていて、ホメオスタシス(生体恒常性)を保っています。例えば、外の気温が40度近くになっても、人の体温は36℃前後に保たれますね。これは発汗などの機能で、体が自動的に体温を調節しているからです。
ですので、例えばコレステロールを下げる効果のある食材があったとして、それを毎日大量に食べ続ければ、人間の血中コレステロール値がゼロになるかというと、もちろんそんなことはありません。医薬品でも無理ですし、コレステロール値を下げれば下げるほど良いという簡単なものでもありません。
「健康に良い」食品の正しい摂り方とは?
人間の身体は、あらゆる部分が相互に作用しあってバランスをとることで成り立っています。食事は人間の身体を作るものですので、こちらもバランスを取って食べる必要があります。
その中で、自身の目的に合った食材の割合を増やして日常の食事に取り入れていくのが「健康に良い」食品の正しい摂り方でしょう。読者の皆さまには、それを理解されたうえで、オリーブオイルの優れた健康効果を引き出して楽しんでいただければと思います。
その優れた健康効果やバランスの取りかたは次回から順に紹介したいと思います。
<今回のポイント>
・世の中にはオリーブオイルの健康効果をうたった情報があふれている
・信頼できる情報を探し出すのは意外と難しい
・「健康に良い」といっても、人によって目的は様々
・「健康に良い」食材ばかりを大量に食べればよいわけではない
・何事もバランスが大切