ただいまアーモンドの花が真っ盛り!地中海の恵みオリーブとアーモンドの話【オリーブ世界一の国 スペインから】
Hola!! 2月上旬の今、スペインではちょうどアーモンドの花の季節です。アーモンドの花をご覧になったことがある方は少ないと思うのですが、アーモンドはバラ科サクラ属の木で、桜に似た花を咲かせます。アーモンドの花は季節の楽しみのひとつ。今回はそんなアーモンドとオリーブの話です。【 アーモンドの花が真っ盛り!地中海の恵みオリーブとアーモンドの話 】
アーモンドは、2000年以上前にフェニキア人によってイベリア半島に持ち込まれ、その後ローマ人が普及させたと言われています。3000年以上前にやはりフェニキア人がもたらしローマ人が広めたオリーブと起源が似ていますね。
スペイン南部のカディスの港からローマに通じるビア・アウグスタ(ローマ街道)周辺では、昔からオリーブやアーモンドの栽培が盛んでした。現在もスペインは世界2位のアーモンド生産国なのですよ。アーモンド(ナッツ類)もオリーブオイルも健康によいと言われ、地中海ダイエットでは毎日摂取すべき食品にあげられていますね。
わが家ではこの時期、アーモンドの花を探しにアリカンテ北部の山地にドライブに行くことがあります。斜面の段々畑でオリーブやアーモンドを栽培している昔ながらの景色がとても気に入っています。古い畑にアーモンドとオリーブが植えられていることが多いのは、もしも病気や害虫でどちらかが収穫できない年があっても、もう片方の収穫ができればなんとか生き延びられたからだと聞きました。
エキストラバージンオイルは、オリーブ果実から油分を抽出しただけで何も添加されていないにも関わらず、良質なものには果物や野菜など植物の香りが隠れていますよね。たとえば、青りんご、トマト、青草、オリーブの葉、バナナ等々。“青いアーモンド”が香るという表現が用いられることもありますが、皆さん、青いアーモンドの香りはどんな香りか想像つきますか?
アーモンドの木には4月中旬から5月頃に、梅のように細かい毛をはやした実がなります。それから果肉が割れて硬くなった種子が顔を出し、8月下旬から9月頃に収穫となります。果肉の中に種子、その中に仁があり、私たちが食べているのは仁の部分です。
種子が硬くなる前の青いアーモンドの実を丸ごとかじってポリポリと食べる国もあるそうですが、スペインではまだ聞いたことがありません。おいしそうな実を見つけたら挑戦したいものです。
青い実を割るとほんのり青く甘いような香りが漂い、かじってみると青いアーモンドの独特な香りがします。香しさは比較的マイルドなアルベキーナ種やエンペルトレ種、ファルガ種などのオリーブオイルに隠れています。また、炒ったアーモンドの香りやアーモンドの皮のような苦みや渋みを感じるオリーブオイルもあるんですよ。改めて、オリーブオイルの世界は奥深いですね。
もしかしたら皆さんのお持ちのオリーブオイルにも、青いアーモンドの香りが隠れているかもしれません。良質のエキストラバージンオリーブオイルをお持ちの方は、ぜひとも嗅いでみてくださいね。それでは、hasta luego!!(田川敬子)