シチリア島と太宰府の家族交流から育まれた輸入オリーブオイル
クラウンドファンディングで共感が伝播する
シチリア島と太宰府の家族交流から育まれた輸入オリーブオイル
福岡県太宰府で「コリッコカフェ」を営む株式会社コリッコの鎌田浩嗣(かまた ひろつぐ)さんがシチリア島のオリーブ生産者と自ら共同企画し輸入するエクストラバージンオリーブオイル「CoRicco」。輸入量は決して多くなく、クラウドファンディングにより入手できるオリーブオイルですが、多くの料理好きインフルエンサーが毎年入荷を楽しみにしており、ネット上でも熱い口コミを目にするようになりました。その存在が気になり、運営責任者の鎌田浩嗣さんにお話を伺ってきました。【 クラウドファンディングで共感が伝播するシチリアのオリーブオイル 】
スローフード文化発祥の地と日本の家族間の信頼がベースに
浩嗣さんがシチリア島のオリーブオイルに出会うきっかけを作ってくれたのは彼のお父様の鎌田崇裕さん。お父様が書道家のお祖父様に随行してイタリアを訪れた際、まさに食の宝庫のシチリア島の人々とめぐり逢ったそうです。
「シチリア島というところは島中にオリーブ畑があり、何軒か農家を紹介され歩き回っているうちに父はこの島がとても気に入ったそうです。そんなシチリア島の食材を日本に紹介できないかと思った時に出会ったのが、オリーブオイルでした。地域に根ざした伝統的な食文化や食材を見直すスローフード運動はイタリアが発祥の地である点にも共感がもてたそうです」と浩嗣さん。
シチリア島のスローフードの食材を日本の食卓にフレッシュなまま届けたいという想いから生まれたこのプロジェクトでしたが、当然現地の農家の方とは言葉があまり通じません。「でも1日中一緒に過ごし、同じ食事を食べ片言の言語でも会話をしていると、良いものを作りたいと思う気持ちは不思議と言語を超えて伝わるんです。」
少量でも、世界で一つだけのオリーブオイルへのこだわり
時間をかけて農園の方々と意気投合し信頼関係を築き上げた上で、自然と会話は、どんなオリーブオイルを作ろうかという話になっていったそうです。現地では苦味や辛味が際立つオリーブオイルが好まれるのですが、さまざまな試作をテストした結果、浩嗣さんたちは日本人の口に合うようにオリーブオイル独特の苦味を少し抑えて、フルーティーで比較的まろやかな味に仕上げることにしました。まさに、世界で一つだけのオリーブオイルです。
「オリーブオイルはボトルの中身の質をごまかすことは残念ながら難しくありません。生産者と輸入会社の間に信頼関係があるか否かがオリーブオイル作りにはとても大事なんです」と浩嗣さんは力をこめて語ってくれました。
3年目に父からプロジェクトを受け継ぐことに
当時慶応大学を卒業したばかりだった浩嗣さんがこのプロジェクトを引き継いだのは輸入開始後3年目のこと。
「海外進出って大きな会社がするイメージだったのですが、当社のように小さな会社でも乗り込んで信頼さえ勝ち取れば、越境の商売ができるのだということを父から学びました。そして何より、実際にシチリア島に行った時に生産者の家族全員で僕たちで迎い入れてくれてくれて食事や宿泊を共にした時の体験が僕の背中を押しました。」
クラウドファンディングにこだわる理由
CoRiccoを広げるために、実現したい活動をプロジェクト化して資金を募り、支援者はリターン品やサービスを購入できる「クラウドファンディング」という仕組みを続けている浩嗣さん。その理由を聞いていみたところこんな答えが帰ってきました。「ずばり、イタリアからオリーブオイルの輸入を末永く続けて行きたいからです。」
浩嗣さんの考えるクラウドファンディングの良いポイントが3つあるそうです。一つはプロジェクト発足の適度な緊張感、2つめが周囲からの共感が『支援』という形で可視化されること、そして3つめが結果として、事前の資金調達等のリスク軽減になるという点だそうです。
「確かに単なる予約注文と言ってしまえば、それも否定できません。しかし、私たちは敢えてクラファン(クラウドファンディング)で挑戦する時期を毎年設けて、より深く物語含めて知ってもらう事で、末永くこの活動を続けられると信じています。」
「仮にですが、クラファンを辞めてしまって、私たちが生産者に『ごめん、コロナで経済的不況で資金が不足してて、今年は輸入できません。』となるとどうなるか想像します。きっと生産者はオリーブは農作物で毎年採れるもので、急に需要が減るとすごく困ります。急に大量に注文されたり、逆に注文ゼロになる取引相手より毎年安定的に注文があった方がいかに良いか。 私たちは、クラファンの支援者さんと一緒に輸入するような感覚で、これからも継続をしていこうと思っています。」
家族の歴史が証明し、新たな技術が支える圧倒的な品質
「現在の契約生産者 “Olio Provenzani”のオリーブオイル農園には、樹齢平均20年から25年のオリーブの木が多いのですが、圧巻だったのが農園にあった20本ほどの樹齢800年クラスのオリーブの木です。品質に不誠実であったら樹齢800年のオリーブが生き残っているということは有りえませんよね。ここにもこの家族のオリーブオイル作りに対する脈々と受け継がれている誠実さを感じました。」
「通常オリーブの育成には大量の水分を要するのですが、樹齢800年の木の幹は大量の水を蓄えることができるので、水やりの必要はないそうです。もちろん、オイルの製造設備と品質管理もしっかり見せてもらっています。工場はきわめて清潔に保たれ、温度管理が徹底されていました。いまはコロナ禍の影響でオンライン上でしか生産者家族と話せていないのですが、基本的に僕たちは毎年彼らの農園を訪ね、収穫の様子や製造工程の視察を重ねます。現地の食文化や人との交流に浸り、私たちも大いに楽しみながら、この活動が末長く続けられるようにしています。」
CoRiccoのオリーブオイルの特徴
そんな浩嗣さんファミリーが惚れ込んだCoRiccoオリーブオイルにはいくつかの特徴があります。
●まったく混ぜ物をしていない、無濾過であること。(フレーバード風味以外)
和食にも合わせやすいようにオリーブオイル独特の苦味を抑えて、渋い中にも甘みのある味わいが特徴です。クセのない優しめのマイルドな味にブレンドしています。
●国内で酸化防止ボトルに詰め鮮度を維持
容器にも特徴があります。空気に触れることでの酸化を徹底的に防ぐことで味の劣化を防げるボトルを活用しています。注ぎ口に逆し弁(エアバックしないように)を取り付け、2重構造の容器で液体の入った袋だけが潰れていくので空気に触れることがないものです。それでいてオリーブオイルの粘度にも耐えることができ、最後の一滴まで使用することができるボトルです。農園で精製された現地の味を損なうこと無く取り込めたオリーブオイルの風味を楽しんで頂けます。
こだわりは、お客さまに直接届けること
最後に浩嗣さんがオリーブオイル輸入販売をする上でのこだわりを伺ってみました。
「大切にしていることは、直接お客様に届けたいということ。どれだけ美味しいオリーブオイルでも食べてもらわなければ違いを感じていただくことはできません。私たちは、南イタリアと九州の豊かな自然食材を使った無添加の食品づくりを追求しています。自然のままの素材の力を最大限に引き出し、美味しく、体に良い豊かな食卓で楽しんでいただけるようにと心から願っています。」
今年のクラウドファンディング対象商品
●「オリジナル」
風味:繊細で苦味が少ないが、スパイシーで活き活きとした感じ。フレッシュな野菜のような後味が口内を包み込みます。 ペアリング:生野菜、魚介カルパッチョ、豆腐など繊細な味の料理を引き立たせます。
●シチリアレモンの本気「レモンフレーバー」
風味:シチリアの新鮮なレモンを感じさせる。料理を一気に爽やかにします。 ペアリング:特に魚介系はすごく合います。アクアパッツァ、蒸し野菜、バニラアイスなど魚介系からスイーツまで。
●食欲が止まらない「ガーリックフレーバー」
風味:食欲を刺激してくる香り。料理にパンチをもたらします。 ペアリング:ガーリックトースト、ステーキなどに少量かけるだけで食欲が…
●辛いもの好きのマストアイテム「チリフレーバー」
風味:赤い色からも分かる様に唐辛子の刺激的な風味。 ペアリング:ペペロンチーノ、塩焼きそば、カレーライス
●珍味を身近に!「トリュフフレーバー」
風味:複雑な風味を持っていて、料理にエンターテイメントを出します。 ペアリング:特に卵、ポテト系の料理。そしてお肉にも合います。卵かけご飯に。
★★太宰府にお越しの際は、ぜひ CorRicco Cafe にもお立ち寄りください★★
神社・自然に囲まれた太宰府の国博通りエリアで、CoRiccoオリーブオイルを使ったメニューや、いせふじのいちごなど各種商品の直売店も行っています。ぜひお待ちしております!