オリーブオイルのコンテストは世界中で開かれていますが、どのコンテストもオリーブオイル独特の風味を品評する内容になっています。そんな中、世界一のオリーブ産地にありオリーブオイルの研究が盛んなハエン大学では、昨年12月に風味に加えて オリーブオイルに期待される健康効果 の源泉、微量成分も評価の対象に加えた新しいタイプのコンテスト 『HEALTH AND FLAVOUR国際エキストラバージンオリーブオイル アワード』が開催されました。ご縁あって私も授賞式典に参加してきましたので、今回はこのコンテストのお話です。

オリーブオイルの微量成分とは？

「微量成分とは？」と首をかしげる方も多いかと思いますので、まずは簡単にご説明します。

食用オイルの主成分は脂肪酸で、オリーブオイルの場合はその7～8割をオレイン酸が占めています。オレイン酸には善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減少させるはたらき等が検証されており、オリーブオイルが健康に良いと言われている理由の一つになっています。

でも、科学的に検証されているオリーブオイルのはたらきはそれだけではないのです。オリーブオイルには脂肪酸以外にもステロール類、ビタミンなどの250を超える多種多様な微量成分が含まれており、健康効果のあるこれらの成分が近年注目されています。例えば、オレオカンタールやオレウロペイン、ヒドロキシチロソールなどのポリフェノール類、トコフェノール（ビタミンE）など該当します。

植物油の大半を占める精製オイルと比べ、オリーブ果実を搾っただけで化学的に精製されていないエキストラバージンオリーブオイルは、特にこの微量成分を多く含んでいます。ちなみに、この微量成分は風味に大きく影響し、その含有量によってオリーブオイルの風味をより豊かにします。

品質の良いエキストラバージンオリーブオイルは、おいしいだけでなく健康にも良い影響を与えるという特徴があるので、このコンテストでは微量成分、その中でも特に注目度の高いフェノール類に目を向けたというわけです。（皆さんもよく耳にされる「ポリフェノール」は水酸基を２個以上持つフェノール類の総称です）。

コンテストの評価基準として、入賞には１ｋｇあたり最低２５０ｍｌのフェノール類を含有している必要があります。そのため、生産者が用意するサンプルは風味の評価でテイスティングに使われるだけでなく、国立油脂研究所に送られて成分分析されます。

このような評価プロセスを経て、こちらのオリーブオイルが見事、第1回『HEALTH AND FLAVOUR国際エキストラバージンオリーブオイル アワード』を受賞をしました。

 

Cortijo de Suerte Alta や Melgarejoは日本でも販売されているので、健康効果の高いエキストラバージンオリーブオイルをお探しの方は、当サイトの検索機能から見つけてくださいね。

微量成分の量は品種によっても異なるので、風味の優れたすべてのオリーブオイルに開かれたコンテストではありませんが、健康に良いとされる微量成分も評価の対象にするという点で、長い人生を健康で幸せに生き続けることを多くの人が求めている今の時代性を反映したとても興味深いコンテストだと思いました。今回は初回ということもありエントリー数は少なかったものの、これから回を重ねるごとに増えていきそうな予感です。それでは、hasta luego!!　（田川敬子）