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いま注目のアルゼンチン産オリーブオイルを知る
〜アルゼンチン大使館にて開催された
『アルゼンチン産オリーブオイルセミナー』から〜

11月下旬の小春日和のお昼時、オリーブオイル業界関係者及びオリーブオイルソムリエ®を招待し都内アルゼンチン大使館にて開催された『アルゼンチン産オリーブオイルセミナー』に、「eオリーブオイル選び」編集部も参加の機会をいただきました。駐日アルゼンチン共和国大使館日本オリーブオイルソムリエ協会の共催のこのセミナーにはアルゼンチンのZuccardi(ズッカルティ)、Laur(ラウール)、Timbo(ティンボ)の3社の輸入会社担当者と生産者もアルゼンチンからZoomで参加。イベントは大いに賑わいました。「 アルゼンチン大使館でいま注目のアルゼンチン産オリーブオイルを知る 」

アルゼンチン大使館でいま注目のアルゼンチン産オリーブオイルを知る

左から共同主催者の日本オリーブオイルソムリエ協会の多田俊哉理事長、ギジェルモ・ハント駐日アルゼンチン共和国大使、そしてルシアナ・アロンソ書記官

冒頭、ギジェルモ・ハント駐日アルゼンチン共和国大使より、国際競争力のある高品質なアルゼンチン産のオリーブオイルが年々増えており、アルゼンチン大使館の貿易推進活動の一環としても日本へのオリーブオイル輸出に力を入れているというご挨拶をいただきました。

ギジェルモ・ハント=アルゼンチン共和国特命全権大使閣下のご挨拶

アルゼンチン大使館でいま注目のアルゼンチン産オリーブオイルを知る

リアルとオンラインのハイブリッド形式のセミナーは、地球の真裏にあるアルゼンチンまでの距離を全く感じさせません

南アメリカ大陸南部に位置するアルゼンチン。日本からは乗り継ぎ含め30時間超かかります。そんな遥かアルゼンチン生産地のこだわりやオリーブオイルに対する想いを、現地時間深夜にオンライン参加してくれたオリーブオイル生産者3社と各輸入会社の担当者より聞くことができました。

Zuccardi社(ズッカルディ)ミゲル・ズッカルディ氏、輸入会社:ユーロパス社

1963年に設立され、3世代にわたってオリーブオイルの栽培に適したアンデス山脈の麓のメンドーサ州でアラオコ種という固有品種のオリーブを栽培。水はけが良い土地でアンデス山脈からの雪解け水を木と木の間に流し、木が必要な水分だけを吸収する。木の下にはクローバーを植え保湿をしているそうです。オリーブは4月にすべて早摘み。従来は空輸で入れていたが来年からは低温コンテナ船で輸入予定。物流コストと品質の維持を課題として上げていた。

2021年のOLIVE JAPANコンテストで3商品が金賞受賞しているZuccardiのオリーブオイル

Laur社(ラウール)ガブリエル氏、輸入会社:木野物産

日本人の求めるオリーブオイルの品質にとても配慮をしている生産者。1906年創業以来、輸入会社との信頼関係を重視し、生産者も実際に何度も日本に足を運び日本の消費者の理解に積極的に努めている。オーガニック認証も取得し、今後は日本の消費者にオリーブオイルの様々な使い方の提案をしながら購入してもらうチャンスを増やしたいと語っていた。

マスク越しではあったが、各商品に関する質問も活発に出ていた

Timbo社(ティンボ)アルフレード・グスマン氏、輸入会社:GIGA

12年前より輸入を開始。アンデスの雪解け水を利用した有機オリーブオイルで、国内の星付きホテルでも使われている。2006年にアルゼンチンと日本政府との間でアルゼンチンのオーガニック認証とJASの同等性の調定が結ばれ、より展開がしやすくなったという話も共有された。

アルゼンチン大使館でいま注目のアルゼンチン産オリーブオイルを知る

テイスティングはテイスターが使うブルーグラスを使い本格的に行われました

「テロワール」と「テイスティング」

オリーブオイルのテロワール(生産地の地理や気候等自然環境による特徴)を知ることは、オリーブオイルの風味の違いを知る上でも有意義な第一歩である。

日本オリーブオイルソムリエ協会の多田理事長からは、アルゼンチン産オリーブオイルのテロワールの講義が行われた。アルゼンチンのオリーブオイル生産量は最新のIOC(国際オリーブ協会)のデータによると2万7,500トン、作付面積は11万9,273ヘクタール、搾油所は国内に100箇所も存在する。

スペイン、イタリアなどの伝統的な畑とは異なり、垣根を使って高密植で栽培し機械を使って収穫するSuper High Density(超高密植栽培法)あるいはMiddle Densityで栽培。品種は最も古い品種の一つアラウコ種や、スペイン系のアルベキーナ種、イタリア系移民由来のコラティーナ種やフラントイオ種等が主流とのこと。土地が乾燥しているため有機栽培が行いやすく、オーガニックのオリーブオイルが多いのも特徴だという。

16世紀にスペイン移民が植栽をはじめたものの、60年代にワインブームが起こり多くの畑がぶどう栽培に様変わり。その時期、廉価なオイルに需要がシフトしたものの、ヨーロッパよりも低コストであること、政府による援助が導入されたこと、合理的なSuper High Density栽培法の導入等で、アルゼンチンの高品質オリーブオイル市場は2000年代に復活したそうです。現在の課題は、スペイン産オリーブオイルとの価格競争、そしてプレミアムブランドとしての認知を高めていくことだと多田理事長は語りました。

オリーブオイルのテイスティングは香りをとるところから始まります

そして、参加者お楽しみのテイスティングの時間へ。オリーブオイルの複雑な風味の魅力はここではお伝え切れないので、ぜひ「eオリーブオイル選び」のサイトで「アルゼンチン産」の受賞オリーブオイルを探してみてください。

当日は、アルゼンチン産のワインや大使公邸シェフから振る舞われたアルゼンチン産食材(もちろんオリーブオイルもたっぷり!)を使ったアペタイザーのマリアージュを堪能しました。

アルゼンチン大使館でいま注目のアルゼンチン産オリーブオイルを知る

ハード系のアルゼンチン産チーズにたっぷりオリーブオイルをかけていただく。目にも鮮やかなザクロとの絶妙なマリアージュを発見

後日、ギジェルモ・ハント駐日アルゼンチン共和国大使よりメッセージを「eオリーブオイル選び」読者の皆さんに頂きましたので、最後に紹介させていただきます。

『アルゼンチンのオリーブオイルは、その優れた品質だけでなく、土壌や気候の特徴によって、日本の厳しい消費者に注目されています。今日、アルゼンチンは国内のさまざまな地域で10万ヘクタール以上の栽培地を有しており、世界第10位のオリーブオイル生産国です。AOVE(エキストラバージンオリーブオイル)の世界ランキングでトップ10に入る唯一のラテンアメリカの国でもあります。

今回、アルゼンチン産のオリーブオイルを日本の皆様に紹介する機会をもてたことをたいへん嬉しく思っております。日本オリーブオイルソムリエ協会の多田会長をはじめ、輸入業者の方々、アルゼンチンの生産者、そしてセミナーにご参加いただいたすべての皆様に感謝いたします』

   
     
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