オリーブの一大生産地スペイン・ハエンの新油祭り
Hola!! スペインでは早くも搾って間もない新油が店頭に並び始めました。先月は、世界最大のオリーブ産地ハエンで毎年開催されるFiesta del Primer Aceite de Jaén(ハエン新油祭り)が開催されたので、今回はそのレポートをお届けします。【 オリーブの一大生産地スペイン・ハエンの新油祭り 】
この新油祭りは、ハエン県内で毎年場所を変えて開かれます。今年は11月13日・14日の週末にオリーブ畑に囲まれたバエサの町で開催されました。バエサは8キロほど離れたウベダとセットでユネスコの世界遺産に登録されてる静かな町です。
新油祭りなので、主役はもちろんこの秋に搾ったオリーブオイルです。会場になった広場におよそ80ものブースが並び、ハエン中から集まった生産者さん達が自慢の新油を披露。もちろん試食できるので、気に入ったオリーブオイルを買うことができます。
ハエン県のオリーブオイルといえばインテンスな風味が特徴のピクアル種が主流。新油なのでどれもパンチがきいていて、いくつも試食していると口の中に痺れたような感覚が残ります。想定していたので水以外にリンゴも持参していたのですが(※オリーブオイルのテイスティング時には、ひとつ試すごとに水やリンゴで口の中をリセットさせます)、試したかったオリーブオイルを全部制覇することはできませんでした。
このお祭りはただ新油を味わい買うだけのイベントではありません。オープニングにはスペインで大人気の若手スターシェフ、ジョルディ・クルスが登場し、会場は大賑わい。気さくにあちこちのブースをまわっていたようで、SNSにはジョルディシェフと撮った生産者さんの写真が溢れていました。
ハエン県にある3つのDOP(保護原産地呼称)と1つのIGP(保護地理的表示)によるテイスティングセミナーも開かれ、私はDOPシエラ・デ・カソルラのセミナーに参加しました。事前予約が必要だったのですが、受付開始当日にあっという間に満員になったとのこと。
会場には、子連れで来ても心置きなく新油祭りを楽しめるようにと託児スペースも設けられていました。このスペース内にはオリーブ文化に関するイラストの塗り絵や、オリーブオイルのラベルを作るアクティビティが用意されていて、産地のこだわりを感じました。
バエサ近郊の農園訪問ツアーをはじめ、世界遺産の町ということもありガイド付き観光ツアーも催され、町中は人でいっぱい。お昼時はどこのレストランもバルも満員でした。1日めの夕方には会場内でコンサートもあり、単に“新油を試飲して買う“というイベントで終わらせず、町をあげて盛り上がる様子にオリーブオイルの圧倒的な求心力を感じました。
このハエン新油祭りは毎年スペイン国内の一都市でも開催されます。今年は牛追い祭りで有名なパンプローナでした。数年前に私の住むバレンシアに来たこともありましたが、フラメンコショーなども開催され賑わっていました。オリーブはハエン県の重要産業だけあって、プロモーションにも力を入れているのです。
さて、来年はどこで開かれるのでしょう。オリーブオイルが好きな皆さんも、機会があればぜひ新油祭りを訪ねてみてくださいね。最後に、バエサから見た壮大なオリーブ畑の景色を動画でお楽しみください。それでは、hasta luego!!