【オリーブ世界一の国 スペインから】
その数なんと270品種以上!!オリーブ品種の豆知識(スペイン編)
【オリーブ世界一の国 スペインから】
Hola‼ 皆さんの中にワインがお好きな方はいらっしゃいますか?ワイン好きな方はきっとその葡萄の産地や品種が気になりますよね。ワインの葡萄と同じようにオリーブにも数多くの品種があり、その数は世界で2,000品種を超えると言われています。今回は、オリーブ世界一の国!スペインの品種をテーマにお届けします。【 その数なんと270品種以上!!オリーブ品種の豆知識(スペイン編) 】
スペインでは約270のオリーブの品種が登録されています。そんなにたくさん!と思いますが、イタリアはさらに多く700品種を超えているそうです。それぞれの品種に個性があり、また同じ品種でも栽培する場所や搾油の仕方によっても風味が微妙に変わります。また、オリーブオイルには単一品種タイプと複数の品種をブレンドした「クパージュ」タイプがあるので、オリーブオイルの風味の楽しみ方はまさに無限大!!一期一会と言われる所以ですね。
では、ここから皆さんにもぜひ覚えてほしいスペインのオリーブ主要品種をご紹介しましょう。
【ピクアル】
アンダルシアのハエン原産の品種で生産性やポリフェノール値が高く、また比較的育てやすく上質のオイルが搾れるため、今では世界中でもっとも栽培されている人気の品種です。スペインで栽培されるオリーブの半分、また全世界の20%がピクアルです。オリーブの葉や青いトマトのようなグリーンなニュアンスに心地よい辛さと苦み、渋みを感じる存在感あるオイルになります。トマトとの相性が良いので特にガスパチョなどにはオススメです。
【アルベキーナ】
カタルーニャのレリダ原産。丸くて小さな果実がかわいらしいアルベキーナは、オイルとしての安定性はやや低いものの(酸化しやすい)、バナナや青りんご、アーモンドを感じるまろやかなで上品な風味があります。また超高密植栽培法に適していることから世界中で栽培される人気品種のひとつです。北スペインと南スペインでは同じアルベキーナでも味わいが異なります。甘みがあるため、製菓にも向くと言われています。
余談ですが、超高密植栽培用に品質改良でピクアルとアルベキーナをかけあわせて生まれた「シキティタ」という新しい品種もあります。
【コルニカブラ】
カスティーヤ・ラ・マンチャのトレド原産で、スペインではピクアルに次いで多く栽培されている品種です。コルニカブラのオリーブオイルは青リンゴやトマト、青葉のアロマが香り、オリーブの葉をかじったような苦みがあります。オレイン酸の値が高いことも特徴です。青魚との相性が良く、またカスティーヤ・ラ・マンチャ州でよく食べる羊肉や山羊のローストによく合います。
【オヒブランカ】
アンダルシアのコルドバ原産。ピクアル、コルニカブラに次いで3番めに栽培量が多く、テーブルオリーブとしても人気の品種です。オレイン酸やビタミンEに富んでいます。青草やアロマティックなハーブの香りが高く、辛みや多少の苦みに加えて甘みも感じるオイルが搾れます。アーティチョークや魚や肉のカルパッチョ、そしてコルドバ料理のサルモレホに合わせたい品種です。
【ピクード】
オヒブランカ同様アンダルシアのコルドバ原産で、他の地域ではほとんど栽培されていません。テーブルオリーブにも使われる品種でもあります。青リンゴやアーモンド、オリーブの葉を感じさせるアロマがあり、バランスのとれた口当たりの良いオイルになります。魚料理との相性がいいと言われています。
コルドバ産のピクードとオヒブランカのクパージュ(ブレンド)は、複雑性がありとても風味の高いおいしいオイルができることで知られています。
【その他、収穫量が少ない希少土着品種】
私の住むバレンシア州は土着品種数が多く、セラーナ・デ・エスパダン(セビジェンカ)、アルファファレンカ、ブランケタ、ファルガ、ビジャロンガ、ボリオレンカ、クケージョ、カネテラ、ヘノベサ、チャングロ・レアル、グロッサルなどがあります。品種数が多いゆえ、それぞれの収穫量は少なく日本にはあまり入っていないことが残念です。こういった品種は産地以外での入手が難しいことが多く、希少品種のオリーブオイルを買うことは旅の楽しみになります。
この他にどんな品種があるのか知りたい方は、スペイン語のみになりますが、このサイトを参考にしてください。 http://www.variedadesdeolivo.com/variedades_de_espana/
皆さんもこれからは、オリーブオイルを選ぶ際にはぜひ品種も気にかけてみてくださいね。ただ、品種の表示義務はないのでラベルに書かれていないこともあります。オリーブオイルをただの食用油として値段で選ぶのではなく、産地や品種、そしてもちろん風味で選ぶ人が増えることを願っています。
それでは、hasta luego!!(田川敬子)