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オリーブオイルのオンライン・テイスティング体験記 〜コロナ禍ではじまった新しい試み〜【オリーブ世界一の国 スペインから】

Hola!! コロナウイルスによる警戒事態宣言がスペインで出たのが昨年の3月13日。あれから1年経つ今も、日々の状況によって変わる当局の規制に従って暮らす毎日が続いています。しかし、移動や人が集まることが制限された中でも、スペインの人たちは生活に新しいチャレンジを取り入れながら生活をしています。【 オリーブオイルのオンライン・テイスティング体験記 】

その一つが、オリーブオイルのオンライン・テイスティングが開かれるようになったことです。オンライン系には抵抗のある私もこれまで2回参加したので、今回はその体験をお話しします。初めてのオンライン・テイスティング体験は昨年の6月。450人規模のマクロ・テイスティングという呼び込みと(実際はそこまでの参加はなかったようですが…)事前に送られてくるキットがあまりに豪華なこと!に魅かれて参加を決めました。

主催がAEMODA(搾油マスターと搾油オペレーターの協会)、Intercoop Consultoría(農業食品コンサルタント)、そして以前ここでもご紹介したCentro de Interpretación Olivar y Aceite(ウベダのオリーブ文化センター)という顔ぶれの3団体だったこともあり、参加費37ユーロのプログラムのキットには250mlサイズのプレミアムオリーブオイルが6本も含まれていました。また、同じく記事に取り上げたことがある技術コンサルタントのミゲルはじめ計7人の著名な専門家が登壇することも大いに魅力的でした。なかなか対面で会えない人と画面上で会えるのもオンラインの醍醐味ですね。

オリーブオイルのオンライン・テイスティング体験記

事前に送られたきた充実のテイスティングキット

当日は、キットに入っていたカップに、欠陥オイル2点を含む8のオリーブオイルを注ぎシートの上にセットし、ひとつずつテイスティングしていきました。画面越しとはいえ、誰かと一緒にオリーブオイルをテイスティングするのは3か月ぶりだったので満足のいく経験となりました。自分以外の人のテイスティングコメントを聞くことは勉強になりますし、それが専門家のものであればなおさら。一人でテイスティングするのとは大違いです。どんな生産者さんが作っているのかというその商品の背景の話も聞くこともできました。

オリーブオイルのオンライン・テイスティング体験記

8種のオリーブオイルの入ったカップをセットしてテイスティング開始

そして、今月はオリーブオイル+αの組合せのテイスティングが面白そうだったので、オリーブオイルとチョコレートのテイスティングに参加しました。主催はハエン郊外のオリーブ畑に囲まれた小さな町アルホナにあるTasted Roomというテイスティングスクールです。

Tasted Roomを運営するロレス 写真提供:Tasted Room

ここを運営するロレスは、家族がオリーブ畑を持っていたこともあり子どもの頃からオリーブに囲まれて育ったものの、農業には今ひとつ興味が持てず大学では化学を専攻。20年前から自身のラボラトリーでオリーブオイルに関わる分析などに携わっています。その傍ら、一昨年の11月からテイスティングスクールを立ち上げ、小学校に教えに行くこともあるそうです。また化学の知識を生かしてオリーブオイルを使ったオリジナル・コスメの開発も手掛け、オリーブオイル漬けの人生を楽しんでいます。

講座では5種類のオリーブオイルと、その5つのオイルを使ったチョコレートのテイスティングを実施。5人のエキスパートによる解説を聞くことができ、またチョコレートのテイスティングでは、手で割った時と最初に歯で噛んだ時の音も楽しむという面白い話も聞くことができました。

オリーブオイルのオンライン・テイスティング体験記

事前に届いたキット。左のピコス(乾パン)は次のオリーブオイルに移る前に、口内をリセットするために使います

オリーブオイルのオンライン・テイスティング体験記

お世話になった先生や友人たちと思いがけないスクリーン上での再

5つのチョコレートのうち、ひとつは粉末でした。昔はパンにオリーブオイルをかけてそこにコラカオというスペインの国民的ココア飲料の粉末と、好みで砂糖をまぶしたものが子どものおやつとしてよく食べられていたそうなんです。私はパンを用意していなかったので、翌日パンを買って食べてみましたが、ほんのりココア風味のトーストになりました。よかったら試してみてください。

トーストにオリーブオイルとココアパウダーをのせて

スペインの老若男女に愛されるココア飲料 “コラカオ” 写真提供:(有)グランジャポン

オンライン・テイスティングのメリットは、なんと言っても移動の必要がないということですね。私が参加した講座には、フランスやギリシアの友人も出席していました(但し、ギリシャには当日になっても残念ながらキットが届かなかったそうです)。また、複数の著名な専門家の解説を聴ける機会というのはなかなかないので、これは価値があると思いました。そういった意味では、コロナ終息後もオンライン・テイスティング講座は続くような気がします。今月末はトレドの生産者さんのオンライン講座に申し込んでいるのでこちらも新たな発見がありそうで楽しみです。それでは、hasta luego!!(田川敬子)

   
     
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