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年が明けても収穫されている黒いオリーブの果実は、いったいどんなオリーブオイルになるのか?【オリーブ世界一の国 スペインから】

Hola!! 前回の記事の冒頭で、マドリーの大雪でまだ収穫されていなかったオリーブ果実が大きな被害を受けたことに触れました。オリーブの収穫時期は秋のイメージがあるものの、実は年が明けた現在も収穫は続いています。今回は、今の時期に収穫される果実がどんなオイルになるかについてのお話です。【 黒いオリーブの果実はどんなオリーブオイルになるのか? 】

黒いオリーブの果実はどんなオリーブオイルになるのか?

健康効果が高く、すぐれた風味の“早摘み”オリーブオイルの生産が広く始まったのはおよそ20年前。オリーブオイルの歴史の中では、実は比較的最近のことなのです。スペインでは、早い農園だと9月下旬から収穫が始まり11月上旬頃まで続きます。また、オリーブオイル総生産量の中で早摘みが占める割合は、実はまだわずかなのです。

黒いオリーブの果実はどんなオリーブオイルになるのか?

毎年世界の主要コンテストで入賞しているオリーブオイルに使われている早摘みの果実(ピクアル種)

今でも多くのオリーブ畑では昔ながらに果実が黒く熟すのを待ち、遅いところだと3月まで!収穫をしています。熟し切って地面に落ち泥だらけの果実を拾い集めることも珍しくありません。昔は手で拾っていましたが、現在はうまく拾い集める機械も普及しています。

ご存知のようにオリーブの果実は、最初は緑色で熟すにつれて徐々に紫色から黒へと変化していきます。スペインでは緑色から色付き始めた頃を”エンベロ(envero)”と呼び、一般にエンベロで収穫するともっともおいしいオリーブオイルができると言われています。それでも、様々な理由から黒く熟した果実が収穫されているのです。

ちょうど色付き始めたピクード種

黒くなり、年を越したオリーブにはいろんな“障害”が待ち受けています。熟し過ぎて発酵しはじめる、雨風で地面に落ちる、降雪で凍ってしまうなどなど。このように傷んだ果実からは当然、健康効果が高くすぐれた風味のオリーブオイルは搾れず、においや味に“欠陥”を持ったオリーブオイルになってしまいます。傷んだフルーツがおいしくないのと同じですね。その上、この時期は質より量重視で品質を意識しないところが多く、搾油所に運ばれてきた果実が長時間放置されたり、搾油機器が汚れたままのことも残念ながらあります。これではおいしいオリーブオイルができるわけはありません。

黒いオリーブの果実はどんなオリーブオイルになるのか?

熟し過ぎて発酵しはじめたオリーブの実

黒いオリーブの果実はどんなオリーブオイルになるのか?

この傷んだ果実ではおいしいオリーブオイルは期待できませんね

もっとも黒い果実でも、中が熟し切っていないものを丁寧に扱えば欠陥のないエキストラバージンオリーブオイルを搾ることは可能ではあります。実際に、春先に収穫した黒い果実を小型の試験用搾油機器で搾るところに立ち会ったことがあり、この時期の収穫でもエキストラバージンになるのか!!と驚きました。

黒いオリーブの果実はどんなオリーブオイルになるのか?

黒くてもつやがあり健康そうな果実を試験用機器で搾油するところ

黒くてつやのある実から、キレイな色のオイルが搾れました!

“欠陥”のあるオリーブオイルは、その度合いによって食用と非食用に分類されます。前者は一般的に「バージン」、後者は「ランパンテ」と呼ばれます。ランパンテの語源はランパラ(ランプ)で、昔は食用には使えないため灯かり用に使われました。現在では精製工場に運ばれ、化学的な工程を経ることで健康によい成分の多くを失い、無味無臭のオイルに変身します。

これにほんの少しだけエキストラバージンかバージンのオリーブオイルを混ぜたものが、いわゆる“ピュアオリーブオイル”なのです。店頭でピュアオリーブオイルの表記で販売されていると、純度の高い高品質のオリーブオイルを想像しませんか?イメージとのギャップがありますが、オリーブオイルを愛する皆さんにはぜひ知っておいていただきたいポイントです。

残念ながら、オリーブ果実がこんな汚水で洗浄されていることもあります

こんな話を聞くと、「じゃあ、品質が確かでおいしいエキストラバージンオリーブオイルを選ぶにはどうすればいいの?」と思うかもしれませんね。この「eオリーブオイル選び」の検索機能を使って出てくるオリーブオイルは、どれもOlive Japan®国際オリーブオイルコンテストの受賞オイルなので、安心です。ん? なんだか宣伝になってしまったような・・・?

でもせっかくならおいしいオリーブオイルが食べたいですものね。それでは、Hasta luego!!(田川敬子)

   
     
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