eオリーブオイル選び | Buy the Good Olive Oil

世界でもっとも緑色に輝く「オリーブビール」はどんな風味なのか?
【オリーブ世界一の国 スペインから】

目にも美しいオリーブ・グリーン色のビールで乾杯!

Hola!!  コロナ禍で延期になっていたスペインオリーブオイルスクールの「ESAOエキストラバージンオリーブコンテスト」の授賞式に行ってきました。このご時世なので、例年に比べこじんまりした式でしたが、運よく私が読者の皆さんに紹介したいと思っていた商品の生産者さんと会い話を聞くことができたので、今日はその話をしたいと思います。

お会いしたのは、クラフトビール の生産者 oliBa Green Beerさんです。

オリーブの実を使ったビール oliBa Green Beerは、今年のコンテストで見事に「イノベーション賞」を受賞しました。オリーブビールは今までもありましたが、早摘みのオリーブオイルを彷彿させる美しい緑色のビールは世界でもこのビールだけとのこと。

授賞式でのイバンと広報担当者ネウス。ビールも服装も美しい緑色でした


せっかくの機会なので、生産者のイバンに話を聞いてみました。イバンの出身地はスペイン北東部、ピレネー山脈に近いバジェ・デ・バルセダナ(Valle de Barcedana)、ピレネーの向こうはすぐフランス。彼の家族は過去5代以上にわたってその土地でオリーブ農家を営み、農学を専攻していたイバンは絶滅に瀕したオリーブ品種の保存活動に目覚めIRTA(カタルーニャ州農業技術研究所)とともにこの地域の固有品種を研究していました。

代々続く生粋のオリーブオイル生産者がなぜビール生産を?と聞くと、「あはは、ビールが好きだからさ!」と単純明快な答えが返ってきました。ビールの中でも特にクラフトビールが好きで、いつしかオリーブのビールを作りたいと思うようになったそうです。そして昨年10月、クラフトビールのレシピを160も持つビールマイスターを訪ね試作が始まりました。「本当はオリーブオイルを使ったビールを作るつもりだったんだ。でも水と油がどうしてもうまく一体化してくれなくてね。早速挫折したのさ(苦笑)」

イバンが門を叩いた160ものクラフトビールのレシピを持つ会社の工場 

それでも、すぐにオリーブオイルの代わりにオリーブの実を使って試作を再開。晴れて今年の5月に商品化されたそうです。

特筆すべきは、使っているオリーブの果実。地元の希少な固有品種7種を使っていること。固有品種の保存をライフワークとするイバンの熱い思いが伝わってきますね。どれもカタルーニャ語でスペイン語名はないそうです。NegralMassanellVerdal de BarcedanaGrossalAlbacarroOlivera de LlimianaVerdal del Pallars(※バレンシア南部にGrossal種はありますが同じものかどうかはわかりません)。

チェコのピルスナースタイルのビールでアルコール度数は5度。自然の産物のみを使用し砂糖や保存料、着色料など添加物は使用せず、グルテン含有量が低いためグルテンフリーを名乗っています。

もちろん私も、ご相伴にあずかりました!

早摘みの緑のオリーブオイル色と謳っていますが、油の質感はなくちょっと濃いめの緑茶のようなグリーンに見えました。口に含むとハーバルな心地よい苦みを感じ、のど越しが抜群。なめらかさの中にほんの少しオイル感があるかなと思うのは、先入観からでしょうか(笑)冷やしてしまうとわかりにくいのですが、常温で飲むとわずかにオリーブの葉や果実のニュアンスがありました。 とても清涼感があり飲みやすいビールでした。イバンは「僕はこのビールの香りで収穫中の朝のオリーブ畑を思い出すんだよね」と笑っていました。
発売から約4か月、あちこちから問い合わせがあり、現在イバンは大忙し。もしかしたら、日本で飲める日も近いかもしれませんね。

それでは、hasta luego!!(田川敬子)

oliBa Green Beer  https://olibagreenbeer.com/en/

   
     
戻る