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世界遺産になれるか? アンダルシアに広がるオリーブの海
【オリーブ世界一の国 スペインから】

見渡す限り“オリーブの海”

Hola!! 3月半ばから続いた警戒事態宣言が6月21日に解除されたばかりのスペインでは、他県への移動が可能になり、EUからの観光客受け入れが再開されました。スペインの海には毎夏太陽を求めて多くの外国人がやってきます。

ところでスペインにはもうひとつ海があることをご存じですか? それは、“オリーブの海”(スペイン語で「mar de olivos」)なのです。

世界で流通するオリーブオイルのおよそ半分はスペイン産ですが、中でも南部のアンダルシア地方がその中心地です。最も生産量が多いのはハエン県で、県内には6600万本ものオリーブが栽培されています。これは地球上で最も大きな“人工の森”にあたるとのこと。イタリアとギリシャの全生産量を足した数を上回るオリーブオイルが作られている、と聞くと、いかにハエンのオリーブ産業が盛んであるかがわかりますね。

初めてハエンを訪れた時、見渡す限りオリーブしかないその景色はとにかく印象的でした。オリーブで埋め尽くされた丘陵地帯を車で通ると、まるで波打つオリーブの海の中をゆらゆらと泳いでいるような気分になるのです。

この景観が世界遺産になる日は近いかも

ハエンの県都ハエン市もオリーブ畑に囲まれている

さて、ハエンに加え、コルドバ、マラガ、グラナダ、セビーリャ、カディスの各県に広がるオリーブの海は、文化的景観としてユネスコの世界遺産登録を目指しており、現在は暫定リストに掲載されています。ただ壮観な眺めであるという理由だけではありません。

今から3000年以上も前にフェニキア人がイベリア半島にオリーブ栽培を伝え、アンダルシアはローマ時代には既にオリーブオイルの一大産地、かつ最大の輸出元でした。オリーブオイルの運搬に使うアンフォラ(素焼きのかめ)も大量につくられました。

また、長きに渡りオリーブオイル生産は重要な経済基盤であり、食文化や生活習慣にも大きく影響しています。20世紀後半からはオリーブの研究も飛躍的に発展しました。こういった背景にも、世界遺産候補になる理由があるのです。

今回は少し硬い話になってしまいました。これを読んで、オリーブの海でゆらゆらと泳いでみたいと思われた方がいらしたらうれしいです。

それでは、hasta luego!!(田川敬子)

   
     
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